川上健一、角田光代、池井戸潤、朝井リョウ、青山七恵、垣根涼介
2014-07-03


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期待通り、期待はずれ、読んでみるとわかるいろいろ。
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ららのいた夏 川上健一
高校生の女の子、長距離走がとてつもなく速く、でも走りたいから走るだけで陸上部には勧誘されても入らない。
それでも地元で開催された全国レベルのマラソンでもぶっちぎりで先頭に立ってしまったりする。
そして同じ高校の野球部のエースとのラブラブもある青春小説。
ただ約20年前の小説で、いま書かれる青春小説と比べると多少粗い感じ。
それと「がはははは」とか「・・・・」とか、マラソンの息遣いの表現とか、文章がうるさい。
この作者「雨鱒の川」をずっとずっと前に読んだことがあり、いい印象しかなかったのだけど。
読みにくさで△、読後感は○かなあ。

八日目の蝉 角田光代
20代女性、不倫相手の家に忍び込み、その夫婦の赤ん坊の顔を見て帰るだけのつもりが、思いがけず赤ん坊が泣きだしたことで、とっさにその赤ん坊を連れ去ってしまう。
その後、偽名と嘘を繰り返して各地を転々と逃げまわる。
少し特殊な状況設定かなと思うけど小説としての面白さは◯、読後感は全体として△。

ようこそ、わが家へ 池井戸潤
銀行から民間会社に出向している50代サラリーマン。
あるとき、駅のホームでちょっとしたいざこざに関わり、その後誰かから尾行されるようになったことに気づく。
パッとしない銀行員が家庭と新たな職場で、無意識に張り合いのある日常に入っていく。
ささやかな正義感が心地よくて◯、読後感も◯。

桐島、部活やめるってよ 朝井リョウ
公立高校のバレー部キャプテンの桐島が部活をやめたと周りに伝わる。
そして彼の周りにいた控えメンバー、他の部活の友達らの気持ちに少しずつ変化が現れていく。
話題作だったのでとても読むのを楽しみにしていたけど、文章の雰囲気が僕には合わず△、読後感は○かな。

やさしいため息 青山七恵
オフィスで働く若い女性、電車で前に立った汚い風貌の弟に出くわす。
その弟が自分の部屋に転がり込むように居候になり、毎日の出来事を聞かれ、それをノートに毎日記される。
心の微妙な変化が面白くて◯、読後感も◯。

借金取りの王子 垣根涼介
リストラを代行する会社で、その会社におもむいて退職を導く仕事をする主人公を描いた「君たちに明日はない」の第2弾。
今回もデパートのやり手販売員の女性、生命保険会社の元エリート社員、消費者金融会社のイケメン社員などの退職斡旋面接にいどむ。
いろんな職場での社員の葛藤が見える感じで◯、読後感も◯。
[読書]

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